「共有持分の売却相場っていくらぐらい?」
「少しでも高く売るコツってあるの?」
共有持分を所有している方の中には、上記のように考えている方がいるかもしれません。
そこで本記事では、共有持分の売却相場や少しでも高く売るコツを解説します。トラブルにならない買取業者の選び方も紹介するので、損することなく安心して共有持分を売却したい方は参考にしてください。
この記事で分かること ・【買主別】共有持分の売却相場 ・共有持分を高く売るコツ ・トラブルにならない買取業者の選び方 |
【買主別】共有持分の売却相場
共有持分を売却する方法は、大きく分けて以下の3つです。
それぞれ売却相場が異なるため、詳しく見ていきましょう。
他の共有者と交渉して売る場合:市場価格×持分割合
他の共有者と交渉して売却する場合の相場は「市場価格 × 持分割合」で算出されます。
例えば、市場価格が3,000万円の物件の共有持分を1/2持っている場合、売却相場は「3,000万円×1/2=1,500万円」となります。
他の共有者と交渉して売却するメリットは、市場価格で売却できる可能性が高い点です。自身の持分割合を増やしたい、物件を自由に利用したいと考える共有者は多くいます。そのため、共有持分を売却する際は、まず共有者の中に買取希望者がいないか探してみると良いでしょう。
しかし、他の共有者が必ずしも共有持分を買い取ってくれるとは限りません。特に関係が良くない場合は、買い取ってくれないだけではなく、交渉が決裂しトラブルに発展する可能性もあります。
共有持分の買取を検討している場合は、他の共有者との関係を良好に保っておきましょう。
専門の買取業者に売る場合:市場価格×持分割合×1/2〜1/3
専門の買取業者に売却する場合の相場は「 市場価格×持分割合×1/2〜1/3」で算出されます。
例えば、市場価格が3,000万円の物件の共有持分を1/2持っている場合、売却相場は「3,000万円×1/2× 1/2 = 750万円」または「3,000万円×1/2×1/3=500万円」となります。
専門の買取業者に売る場合は、他の共有者との交渉や売却活動を代行してもらう必要があり、市場価格よりも低く設定されやすいです。
ただし、以下のようなメリットが挙げられます。
- 共有持分の割合が少なくても買い取ってもらえる可能性が高い
- すぐに売却して現金化できる
- 他の共有者との交渉をすべて任せられる
他の共有者に買い取ってもらうのが難しい場合や、自身の持分割合が少なく仲介では売れる可能性が低いと予想できる場合は、専門の買取業者に依頼すると良いでしょう。
第三者に買い取ってもらえる可能性はゼロに近い
第三者に共有持分を買い取ってもらえる可能性は、限りなくゼロに近いです。主な理由としては、以下のようなデメリットが考えられます。
- 共有者全員の同意がないと物件を自由に利用・売却できない
- 物件を占有する共有者がいる場合は賃料を支払わなければならない可能性がある
- 固定資産税などの維持費を負担しなければならない
特に持分割合が少ない場合は、第三者が購入しても活用できる幅が少ないため、売却は難しいでしょう。共有持分を売却する場合は、他の共有者または専門の買取業者に相談するのが最適だと言えます。
実際に共有持分が売却された事例【相場と比較】
ここでは、実際に共有持分が売却された下記3つの事例を紹介します。
事例を通して、自身の共有持分を売却できるか考えていきましょう。
他の共有者と交流がまったくない事例
東京都にある戸建ての土地と建物の共有持分を買い取った事例で、詳細は以下のとおりです。
地域 | 東京都 |
---|---|
共有者の人数 | 4人(親族) |
物件種別 | 一戸建て |
買い取った持分割合 | 戸建ての土地と建物の1/4 |
買い取った金額 | 470万円 |
売主は他の共有者と交流がまったくなく、手紙も無視されている状態にもかかわらず、470万円で売却しています。この事例から、他の共有者と交流がない、交渉に失敗した場合でも、専門の買取業者なら買い取ってくれる可能性があると言えるでしょう。
ローン残債があるかつ共有者が物件に住んでいる事例
神奈川県にあるマンションの共有持分を買い取った事例で、詳細は以下のとおりです。
地域 | 神奈川県 |
---|---|
共有者の人数 | 2人(夫婦) |
物件種別 | マンション |
買い取った持分割合 | マンションの1/2 |
買い取った金額 | 1,500万円 |
共有者は元夫で売却されたあとも居住し続けており、ローン残債もある物件にもかかわらず、好立地に位置するとの理由から1,500万円で売却しています。
この事例から、共有者が居住している、ローン残債がある物件でも、立地や物件の状況次第では高く売却できる可能性もあると言えるでしょう。
共有者との関係性が悪く交渉が難しい事例
兵庫県にある空き家と土地の共有持分を買い取った事例で、詳細は以下のとおりです。
地域 | 兵庫県 |
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共有者の人数 | 3人(親族) |
物件種別 | 一戸建て |
買い取った持分割合 | 戸建ての建物と土地の2/5 |
買い取った金額 | 3,500万円 |
当時例での売主は、誰も住む予定がなく空き家状態が続いていたため、他の共有者に売却を提案したが、遺産分割で揉めた過去や関係の悪さから交渉が失敗していました。しかし、共有者間の関係性が悪いことに加えて、築年数も古い物件にもかかわらず、3,500万円で売却しています。
この事例から、訳あり物件専門の買取業者なら条件が悪い物件でも買取してくれる可能性はあると考えられるため、まずは無料査定を依頼してみると良いでしょう。
共有持分は専門の買取業者に売却するのがおすすめな理由3つ
共有持分は専門の買取業者に依頼するのがおすすめな理由は、主に以下の3つです。
それぞれ見ていきましょう。
少ない割合でも買い取ってもらえる可能性が高い
共有持分の割合が少ない場合でも、専門の買取業者なら買い取ってくれる可能性が高いです。
理由としては、過去の買取事例をもとに、新しい需要を見つけられるからです。また、買取業者は、共有持分を買い取ったあとに他の共有者と交渉して持分をまとめ、最終的に物件全体の売却を目的としている場合もあります。
さらに、1/2や1/3などのわかりやすい割合ではなく、複雑な割合の場合でも専門的な知見を持った買取業者ならスムーズに対応してくれやすいです。
自身の持分割合が少ない、複雑な場合は、専門の買取業者に依頼してみましょう。
相談してすぐに売却・現金化できる
一般的に共有持分の売却は時間がかかりますが、専門の買取業者ならスムーズに取引でき、相談してから現金化するまでの時間が早いです。
理由としては、独自の販売ルートを持っているため、すぐに買い手を見つけられる点が挙げられます。また、共有持分に関するさまざまな知識を有しているため状況把握が早く、査定価格をすぐに出せることも考えられます。
ただし、物件の状況や共有者間の関係性などによっては、即日で現金化できないケースもあると把握しておきましょう。
他の共有者との交渉もすべて任せられる
共有持分の売却では、他の共有者との交渉が必要になるケースがあります。特に日頃から交流がない、関係性が良くない場合は、手間になるだけではなく精神的にストレスを感じる場合もあるでしょう。
しかし、専門の買取業者に依頼すれば、他の共有者との交渉もすべて任せられます。さらに、弁護士と提携している買取業者なら、万が一トラブルが生じても安心です。
共有持分をスムーズかつ安心して売却したい方は、専門の買取業者に相談すると良いでしょう。
共有持分を売却する際に買取業者が査定するポイント5つ
共有持分を売却する際には、買取業者による査定が行われ、特に下記5つのポイントが評価されます。
自身の共有持分が当てはまっていないか、それぞれ詳しく見ていきましょう。
共有者が何人いるか
共有者が多ければ多いほど、共有持分の価値は低くなる傾向があります。複数人で共有する物件では、利用や売却に関する交渉が難航しやすいからです。
交渉が難航し売却までに時間がかかれば、買取コストがかさんだ分だけ買取価格が下がってしまう可能性があります。また、他の共有者の反対意思が強く、そもそも売却できないケースも考えられるでしょう。
居住している共有者はいるか
居住している共有者がいる場合、共有持分の価値は低くなりやすいです。理由としては、共有者全員との交渉に加えて、居住している共有者に立ち退いてもらう必要があるからです。
また、立ち退き交渉が難航したり、立ち退き料が発生したりする可能性もあります。そのため、居住者がいる場合、買取業者はスムーズに買取を進められず、査定価格が下がってしまいます。
物件の立地条件
物件の立地条件は、共有持分に限らずどの不動産においても重要視されるポイントです。需要のあるエリアに物件があれば、共有持分の価値は高くなります。
好立地の条件としては、以下のようなものが挙げられます。
- 最寄り駅から近い
- 交通の便が良い
- スーパーやコンビニが近くにある
- 日当たりが良い
逆を言えば、持分割合が多く他の共有者との関係性が良い場合でも、立地が悪い物件では価格が大幅に下がったり、買取不可と判断されたりする可能性もあるでしょう。
土地と建物の共有持分が揃っているか
土地と建物の共有持分が揃っている場合、物件を使用できる範囲が広くなるため価値は高くなりやすいです。
一方、土地または建物のどちらかの共有持分しか持っていない場合は、買い取っても自由に物件を扱えなず、買い手側にとって需要がありません。
また、他の共有者から新たに土地・物件の持分割合を購入してから再販する必要があり、手間と費用もかかるため査定価格は大幅に下がってしまいます。ただし、必ずしも売れない・買取価格が大幅に下がる訳ではないので、一度専門の買取業者に査定を依頼してみると良いでしょう。
隣地との境界線が明確であるか
隣地との境界線が明確であるほど、共有持分の価値は高くなります。境界線が不明確な状態で売却すると、隣地所有者と土地の境界についてトラブルが生じるリスクがあるため、買取価格は下がります。共有持分の売却を検討している方は、事前に境界線の状況を確認しておくと良いです。
しかし、境界標自体を気にしたことがない人は、なかなか見つけられないケースもあるかもしれません。そういった場合は、買取業者に依頼する際に、隣地との境界線が不明確である旨を相談してみましょう。
共有持分を少しでも高く売却するコツ3選
共有持分を少しでも高く売却するコツは、以下の3つです。
それぞれ見ていきましょう。
他の共有者との関係を良好に保っておく
他の共有者との関係を良好に保っておくことは、共有持分を高く売却するうえで重要です。
共有者との関係が良いと、物件の利用や売却に関する話し合いがスムーズに進められます。また、共有者との関係性が良い場合は、互いに協力して物件のメンテナンスを実施するため、物件の管理状態が良好に保たれる傾向にあります。
共有持分の売却を検討している方は、他の共有者との関係性を良好に保っておきましょう。
複数の買取業者に査定を依頼して比較する
複数の業者に査定を依頼すると、より高い査定額で共有持分を売却できる可能性が高くなります。
査定額を比較すれば、悪徳業者に相場より安い価格で買い叩かれる心配もありません。また、他の買取業者にも査定してもらっている事情を話すことで、査定価格が上がる可能性もあるでしょう。
共有持分を売却する際は、複数の業者に査定を依頼するのがおすすめです。
他の共有者と話し合って持分割合を増やしておく
他の共有者と話し合って持分割合を増やしておくことも、共有持分を高く売却するうえで有効な手段です。
一般的に、持分割合が多いほど利用できる幅が広がり、買取価格も上がります。
ただし、持分割合を増やすには、他の共有者から持分を買い取る必要があります。他の共有者との交渉をする中で、関係性が悪化したり、トラブルに発展したりする可能性もあるので注意しておきましょう。
【損しないために】トラブルなく共有持分を売却できる買取業者の選び方
共有持分を売却する際には、信頼できる買取業者を選ぶことが大切です。悪徳業者に騙されて、共有持分を不当に安い価格で買い取られてしまうケースも中にはあります。
トラブルなく共有持分を売却できる買取業者の選び方として、下記5つのポイントが挙げられます。
- 宅地建物取引業の免許を取得しているか確認する
- 実際に利用した人の口コミを確認する
- ホームページで過去の買取実績が豊富か確認する
- 弁護士と提携してトラブル対策をしているか確認する
- 担当者が質問に対して丁寧に答えてくれるか
それぞれ見ていきましょう。
宅地建物取引業の免許を取得しているか確認する
買取業者が宅地建物取引業の免許を取得しているかどうかは、必ず確認しましょう。
宅地建物取引業の免許は、不動産の売買や仲介を行うために必須な免許です。この免許を取得していない業者は、違法に営業している可能性が考えられます。
免許を取得しているかどうかは、業者のホームページや事務所に掲示されている免許証で簡単に確認できるため、トラブルを避けるために必ず確認してください。
実際に利用した人の口コミを確認する
買取業者の評判を調べるために、実際に利用した人の口コミを確認すると良いです。
口コミサイトやSNSなどで、業者の評判を調べることで、査定価格が相場に比べて高い・低いのかや、トラブルなくスムーズに取引できるのかをある程度予想できます。
ただし、口コミはあくまでも個人の意見であるため、参考程度に留めておきましょう。
ホームページで過去の買取実績が豊富か確認する
買取業者のホームページで、過去の買取実績が豊富かどうかを確認しましょう。
過去の買取実績が豊富な業者は、それだけ多くの経験とノウハウを持っていると言えます。買取実績やノウハウが蓄積された業者なら、さまざまな条件の物件において新たな需要を見出せるため、買取価格も上がる可能性があります。
また、ホームページに過去の買取事例が掲載されている場合は、透明性が高く信頼できる業者だと考えられるでしょう。
弁護士と提携してトラブル対策をしているか確認する
共有持分の売却では、共有者とのトラブルが発生する可能性もあります。
トラブルが発生した場合に備え、弁護士と提携してトラブル対策をしている業者を選びましょう。弁護士と提携している業者は、トラブル発生時に適切なアドバイスやサポートを受けられるため、安心してスムーズに取引できます。
担当者が質問に対して丁寧に答えてくれるか
買取業者の担当者に、共有持分の売却に関する質問をしてみましょう。
担当者が質問に対して丁寧に答えてくれるかどうかで、その業者の信頼性や専門性を判断できます。
質問に対して曖昧な回答をしたり、質問を無視したりする業者は、売主に優しいとは言えません。また、買取実績や知見の少なさから、詳細な回答ができない可能性も考えられます。
共有持分を買い取ってくれる業者を選ぶ際は、担当者が質問に対して丁寧に答えてくれるかを確認しましょう。
まとめ
この記事では、共有持分の売却相場と高く売るコツ、トラブルにならない買取業者の選び方について解説しました。
共有持分は少ない割合や、他の共有者と関係性が良くない場合でも、適切な買取業者に依頼すれが売却できる可能性は十分にあります。今回紹介した買取業者の選び方を参考にして、トラブルなくスムーズに共有持分を売却できる業者に査定を依頼してみましょう。
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